機械要素研究室

研究紹介

衝撃波
人体内部の可視化やインフラの維持管理において、超音波による非破壊計測が盛んに行われています。
本研究では、集束させた衝撃波を固体にあてて超音波を発生させることで、空気中から固体への超音波の伝搬を実現します。
また、発生した超音波を干渉計で計測することで、従来方法よりも優れた非接触・非破壊検査システムを構築します。


エバネッセント光
エバネッセント光とは、光が高屈折率領域から低屈折率領域に入射して全反射を起こす時、低屈折領域に染み出す光のことです。エバネッセント光には、発生した界面から指数関数的に減衰するという性質を持ちます。
私たちは高出力のパルスレーザを用いたエバネッセント光と金ナノ粒子を相互作用させることによって極小領域に高エネルギ密度を持ったアプリケーションを実現出来ると考えました。その第一歩として液体ジェット現象を発生させることに成功しました。
私たちの目標はこの液体ジェット現象を解明し、既存の応用事例に置き換えることが可能であることを証明することを考えています。

傾斜計

建築現場を支える器具の1つに「傾斜計」があります。
従来の傾斜計には気泡管センサを用いたものが多くあります。このセンサは構造上振動に弱く、現場で使用するには感度が高すぎるために、建物の外乱振動まで拾ってしまうという問題点がありました。
そこで、私たちはボールレンズを用いた光学式傾斜計を考案しました。粘性流体をボールレンズ傾斜計のレンズ間に導入することで外乱振動の低減を目指して新たな傾斜計を制作しています。


SNOM
本研究室では、先程例に出したMEMS技術やナノテクノロジーの発展を踏まえ、大気中での運用が可能で、試料への負担が少なく、高い分解能を持つ計測手段の開発を目的とし、近接場光顕微鏡(SNOM)の構築を行っています。
近接場光学顕微鏡とは探針と呼ばれる針のように細い先端に上方向からレーザ光を照射します。このとき、探針の先端径は数十宇ナノメートルのため、探針先端で近接場光が発生します。近接場光とは、近接場光学顕微鏡と探針間を伝わらない光のことを言い、この光が探針先端と相互作用することにより発生する散乱光を検出して実現します。
この時に探針が一定周波数で振動しているため探針-試料間距離が近づいたときに散乱光強度が最も高まります。この散乱光強度の変化をとらえることで試料表面を検査できます。

くさび波
超音波を利用した測定法は過去の研究で実現され、現在では非破壊検査の方法として広く使われています。
本研究では、超音波の中でもくさび波を使うことによって従来の測定法よりも高分解能の温度・濃度測定を目指しています。くさび波とは刃の先端を伝播する速度の遅い弾性波です。刃の先端に横波の超音波探触子を接触させることで生成されます。この波動伝播速度は温度との比例的な関係があり温度が高くなるほど速度が遅くなります。
くさび波を利用した測定法は、従来手法の縦波・横波のバルク波や、表面波を利用したセンサよりも波動伝播速度が遅く伝播時間の変化を細かく捉えることができるため従来手法よりも高分解能を実現できます。